漢方専門の安達漢方薬局です。愛知県一宮市にて安全で高い品質の漢方薬を扱う漢方専門の薬局です。

特集

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第6回のテーマは「椎間板ヘルニア」です。
第5回のテーマは「新型インフルエンザ」です。
第4回のテーマは「かぜ」です。
第3回のテーマは「耳鳴り」です。
第2回のテーマは「起立性低血圧」です。
第1回のテーマは国民病ともいわれる「肩こり」です。

新着特集を上にしてあります。

第6回のテーマ「椎間板ヘルニア」
椎間板ヘルニア

背骨は頚椎から仙椎まで椎骨と椎間板がつながって出来ています。
椎間板は軟骨で出来ていますが、その構造は繊維輪という硬い軟骨の囲いの中に、柔らかい隋核という軟骨が入っており、クッションの役目をし、重力を四方に分散させています。その隋核が繊維輪を破って飛び出した状態が椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアは頚椎にも腰椎にも出来ますが、上半身を支える腰椎、特にL4-5、L5-S1間によく出来ます。椎間板ヘルニアがある時、一般的にはその椎間板は変性(老化現象)を起こしています。(椎間板が変性すると、椎間板の弾力がなく傷つきやすくなります。何度も同じ箇所を傷めたり、治ってもまた痛くなります。
症状

症状は、片側の下肢痛が多いが、巨大なヘルニアの場合、両側で症状が出現することもある。
下肢痛は、当該椎間板ヘルニアによる神経根圧迫により生じる。 腰椎4番と5番の間(L4/L5)と腰椎5番と仙骨1番の間(L5/S1)のヘルニアがもっとも多い。
疼痛、しびれなどの自覚症状に加え、障害された神経の支配領域にしびれを呈したり、運動神経の麻痺による筋力低下を来たすことがある。
稀に、排尿障害を呈する(S2-5症状)。
巨大ヘルニアの場合、馬尾症状が出現することがあり、脊柱管狭窄症の馬尾神経型と類似した症状を呈する。有名な症状は、間欠性跛行(はこう)であり、神経根周囲の血流障害により生じることが知られている。

保存的治療

MRIの普及などによりヘルニアの病態が解明されつつあり、一部のヘルニアでは、自然に消退縮小することも解ってきました(組織球による異物貪食、分解作用によってヘルニアが小さくなる)。従って、急を要する症例(運動麻痺や直腸膀胱障害を認める症例)以外は、3~6ヶ月間の保存的治療を行うのが一般的です。保存的治療により腰椎椎間板ヘルニアの90%程度が軽快すると考えられています。
保存的治療を原則として経過観察するのか、手術を原則として経過観察をするのかは、経験の多い信頼できる専門医に、MRI検査・症状の程度・神経反射などを、しっかり診てもらい適切な判断をしてもらうことが大切です。
保存的治療には、安静と漢方薬の併用が効果的です。

代表的な漢方薬
 寒痺型:大防風湯
 風痺型:舒筋活絡湯
 湿痺型:防已黄耆湯合ヨクイニン湯
 着痺型:独活寄生湯
手術の適応となるのは

保存的治療を3ヶ月間行っても痛み、痺れ、筋力低下が改善されず、日常生活に支障があるときが手術の適応となります。また我慢できない強い痛みのために日常生活が著しく制限されるとき、 尿意がわからなく失禁したり、肛門が痺れて締りがなくなったときは緊急手術の適応です。

手術方法
◇顕微鏡下ヘルニア摘出術(顕微鏡視下で摘出)
◇内視鏡下ヘルニア摘出術(直径約2cmの筒の中に内視鏡と器械を入れてモニターを見ながらヘルニアを摘出します
◇経皮的髄核摘出術(椎間板に管を差し込んで、内径約5㎜の管の中から特殊な器具を通して隋核を摘出します)
◇レーザー椎間板減圧術(軽いヘルニアが対象で、内径数㎜の管の中からレーザー光線で髄核を焼いて縮めます

顕微鏡下ヘルニア摘出術が一番確実な手術を言われ言います。

第5回のテーマ「新型インフルエンザ」

新型インフルエンザの潜伏期間
新型インフルエンザの潜伏期間は、通常1~2日ほどです。
その後突然発熱し症状が現れます。

潜伏期間は早くて24時間後遅い場合は4~5日ほどで、長くても最大7日後には症状が現れるとされています。

学校でクラスメイトがインフルエンザと判定され、学級閉鎖になったとしても前日、学校で接触をしていた場合は、感染の可能性があります。潜伏期間は最大7日間もあるとされていますし、近くでインフルエンザの人が出た場合、いつ感染していてもおかしくありませんので、自分の健康状態や家族の健康状態はこまめにチェックをしておく必要があります。

新型インフルエンザの予防
新型インフルエンザの予防対策として一番効果のあるのがマスクの着用となります。
一般的に花粉症などで使うマスクではなく、3層構造になっているマスクがインフルエンザには有効になります。
マスクの着用は、ただ口元をふさぐだけでなく鼻と口をしっかり覆わないと全く意味がありません。
マスクの効果が持続するのは一般的に6~8時間といわれており、それ以上はそのマスクを利用しても効果がないといわれています。8時間以上着用したら新しいのに交換してください。

新型インフルエンザにかかったと思ったら
38度の熱が突然出たら、まずは新型インフルエンザを疑ってください。
ただし、新型インフルエンザかと思った場合行こうと思う医療機関に電話で直接問い合わせをして下さい。

病院によっては新型インフルエンザが疑われる患者さんを別の入り口から入れたり、専用の隔離部屋を設けています。そのような説明を受けてから受診してください。
もしどうしても受診できる病院が見つからない場合は、保健所や市町村の保健センターなどに問い合わせて受診できる病院を教えてもらってください。

病院に行く際には、マスクをしっかりつけて、周りへの感染を防ぐ努力をして下さい。
また、長時間待たされる場合もありますので水分補給ができるお茶やスポーツドリンクを持参しておくとよいでしょう。

新型インフルエンザの症状
新型インフルエンザの症状は、通常のインフルエンザの症状とほぼ同様。
38度以上の発熱 ・頭痛 ・のどの痛み ・鼻水 ・せき ・関節痛 ・倦怠感などが特徴的な症状とされています。

ただ、患者さんの1割程度の人に、下痢や嘔吐などの消化器症状が見られます。これは通常のインフルエンザにはほとんど見られない症状です。

なお、ぜんそくや心疾患、腎疾患、糖尿病など基礎疾患のある方や乳幼児、高齢者、妊娠中の方は重症化するおそれがあるので、早い対応が必要です。

自分でできる予防
最も効果的な手段であるワクチンがいまのところ供給不足で早期に期待できない。それ以外の手段で予防効果を高めるには、免疫力を高める漢方薬やサプリメントが有効。

新型インフルエンザと漢方薬情報と私の考察

漢方薬の麻黄湯(まおうとう)がインフルエンザの治療で抗ウイルス薬のタミフルと同じ程度の症状軽減効果があるという研究結果を福岡大病院の鍋島部長らが明らかにしたと読売新聞が伝えています。

その内容は、A型インフルエンザウイルスを検出した18~66歳の男女20人の同意を得て実施。うち8人はタミフル、12人は麻黄湯エキスを5日間処方した。ともに発症48時間以内に服用し、高熱が続く時は解熱剤を飲んでもらった。

服用開始から平熱に戻るまでの平均時間は、タミフルが20.0時間、麻黄湯が21.4時間でほとんど差がなかった。解熱剤の平均服用回数はタミフルの2.4回に比べ、麻黄湯は0.6回と少なくて済んだ。日本感染症学会で4月に発表されました。

鍋島部長らは「正確な効果の比較には今後大規模で厳密な研究が必要だが、タミフルは異常行動などへの懸念から10歳代への使用が原則中止されていることもあり、漢方薬という選択肢の存在は大きい」と話しています。 (注) 麻黄湯のインフルエンザへの効能は以前から承認されています。

漢方薬・麻黄湯が、新型インフルエンザに効くかどうかはこれからの研究を待たないといけません。ウイルスはどんどん進化してタミフルの効かない耐性ウイルスも今後増えていくでしょう。
「麻黄湯」とは別に、タミフルと同等の効果があると言われている漢方薬「大青竜湯(たいせいりゅうとう)」も紹介されています。

現在は発熱が始まっても、ウイルスが増殖して高熱(39℃以上)にならないとキッドで診断されません。慎重を期すためキッドで「新型インフルエンザ」と確認されるまでタミフルは投与されません。

また、新型インフルエンザが発症した場合、家族は十分な感染防止策を行わずに患者に濃厚接触しウイルスの暴露を受けます。家族に発熱などの症状が出た場合、軽微であっても感染している可能性が高く、他人に感染させる恐れもあります。早めの予防投与などを実施する必要があると考えますが、確実に発症し「新型インフルエンザ」と確認されるまでタミフルは投与されません。

そこで、私の経験から推測する「新型インフルエンザ」の治療法を紹介します。

[1]、発熱が始まったら、たとえ軽度でも「漢方薬」治療を始める。

<例>
(1)、麻黄湯   板藍根
(2)、麻黄湯   板藍根  インターパンチ
(3)、大青竜湯  板藍根  インターパンチ
(4)、銀翹散   板藍根  インターパンチ

38.0度以上の場合には、2~3時間間隔で服用する。
漢方治療が効いた場合には、12時間ほどで発汗・解熱を繰り返しながら、37.0度以下に下がってきます。
37.0度以下になってきたら、普通の服用回数1日3回に戻します。

◇板藍根:2002年に中国でSARS(サーズ)が流行した際、中国政府が公開した予防薬や治療薬の処方にとりいれられ効果を発揮した生薬です。中国ではカゼの予防や治療に広く利用されているよく知られた漢方薬です。新型インフルエンザにも効果が期待されています。

◇インターパンチ:インターフェロン(INF)誘起作用をもつ漢方生薬をベースに、ビフィズス菌とラクチュロースを配合し、生体防衛力(免疫力)向上を目的に山之内製薬(現アステラス製薬)が開発した漢方サプリメントです。

[2]、38度以上の発熱は医療機関でも診察してもらってください。「新型インフルエンザ」と確認されタミフルなど処方された場合でも、漢方治療を併用したほうが回復は早いようです。

[3]、家族が「新型インフルエンザ」を発症した場合、同居しているものが発熱などの兆候が少しでもでた場合には、まずは[1]、麻黄湯+板藍根を服用するのがベターだと思います。

第4回のテーマ「かぜ」
かぜは、そのほとんどが病原微生物の呼吸器への感染でおこる病気ですが、原因の種類に関係なく、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・のどの痛み・咳・痰などに加え、発熱・頭痛・全身倦怠感・胃腸症状などの全身症状を伴うと言う点では共通しているので、一括してかぜ症候群(普通感冒とインフルエンザを含める)として取り扱われます。

かぜ症候群は、最もありふれた疾患(年間一人あたりの平均罹患回数は5~6回と言われています)であるため、万病の元といわれながらも軽く見られがちです。しかしこじらすと不愉快な症状が続くだけでなく、二次的に気管支炎や肺炎などを起こし、時に重篤な状態になることもよく知られています。

特に乳幼児や老人、種々の慢性疾患をお持ちの方は注意が必要です。かぜ症候群は、最もありふれた疾患(年間一人あたりの平均罹患回数は5~6回と言われています)であるため、万病の元といわれながらも軽く見られがちです。しかしこじらすと不愉快な症状が続くだけでなく、二次的に気管支炎や肺炎などを起こし、時に重篤な状態になることもよく知られています。特に乳幼児や老人、種々の慢性疾患をお持ちの方は注意が必要です。

かぜの原因

かぜの原因の多く(80~90%)はウイルスですが、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、レオウイルスなど、なんと200種類以上もあります。

現時点では、ウイルスが引き起こすかぜの場合には、一部の疾患(インフルエンザに対する塩酸アマンタジン:シンメトレル、オセルタミビル:タミフルなど)を除いて、ウイルスをやっつける薬がまだ見つかっておりませんので、かぜに直接効く薬はないと考えてよいでしょう。

身体が消耗する事のないようにする対症療法(症状に対する治療)と風邪のウイルスで傷害された気道から細菌などが二次的に感染して起こる合併症の予防(抗菌剤)が中心となります。

かぜを誘発する原因は、疲労やストレスの蓄積、睡眠不足、ほかの病気による抵抗力の低下、栄養バランスの悪い食事、タバコなどです。

家庭で取り組むかぜの対策

1.安静にして睡眠は十分に
発熱やせきがあると、どうしても体力を消耗してしまいます。安静はウイルスと戦う体力をとり戻すための積極的な対策。かぜをひいたらまず安静にし、睡眠を十分にとりましょう。

2.食事は消化のよいものを
かぜをひいたときこそ、栄養を十分にとって体力を養うことが大切です。消化がよくてからだが温まる物を食べ、タンパク質やビタミンなどの栄養を補給するようにしましょう。

3.入浴は控えましょう
入浴は意外に体力を消耗します。基本的には控えましょう。とくに寒気や熱が38度近くあるときは禁物です。熱が下がったあとも、2~3日は控えたほうがいいでしょう。

4.汗をかいたらこまめに着替えを
熱が高いときは大量の汗が出ます。汗をかいたらパジャマや下着をこまめにとり替え、保温を心がけましょう。

5.早めにくすりの服用を
かぜを治すポイントは、何といっても早めの手当て。寒気を感じたり、のどが痛みだしたら早めにくすりを服用しましょう。こんな時こそ、漢方薬が最適です。

漢方では、かぜのタイプを初期症状によって次の2つに分けています。
(1)赤いかぜ

寒気は少なく、熱が早く出て、のどがはれる熱感型のかぜが「赤いかぜ」です。のどや鼻の粘膜にウイルスや細菌が感染して起こるタイプです。
赤かぜに有効な漢方薬は、「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」や「銀翹散(ぎんぎょうさん)」、などの抗ウイルス、抗薗力がある処方です。

(2)青いかぜ

一方、寒気を感じる悪寒型のかぜが「青かぜ」です。体がゾクゾクして鼻水がでたり、手足が冷えたり、また、体の関節が痛むこともあります。

青いかぜは寒さや疲れがきっかけになって、主に体表からウイルスや菌が感染したかぜと漢方では考えられています。熱は少し遅れて出てくることが多いため、身体を温め、少し発汗作用のある漢方薬が有効です。

青かぜには、「葛根湯(かっこんとう)」や「麻黄湯(まおうとう)」を処方するとたいていは早く治ります。

慢性疾患や高齢などで体力が低下していて、「青かぜ」の症状の場合には「麻黄細辛附子湯(まおうさいしんぶしとう)」が適合します。

第3回のテーマ「耳鳴り」
第3回テーマ 耳鳴り
耳鳴りは誰でも一度は感じたことがあると思います。しかし、中には生活に支障をきたすほどの、病的な耳鳴りに悩まされている方々も多くいらっしゃいます。
そんな症状にかかったときどうしたらいいのか?
当然、まずは耳鼻科などの西洋医学の専門機関に行くことが先決です。ところが現状は、診察や検査をしても特定できる原因がわからないといった事のほうが多いのが現状です。これは、患者さんにとってつらい耳鳴りも生死にかかわる疾患でないために、医学的研究があまり進んでいないのが現状だからです。
まずは、耳鳴りの基本的な事項から解説します。
難聴を起こす原因の耳鳴り

「難聴」とは、聴力が低下し、音が聞こえにくくなっている状態を言います。その難聴を起こす病気や難聴を起こす耳鳴りについて確認してみましょう。

・老人性難聴・・・加齢になることで、両方の耳で高音の耳鳴りがすることがある。
・メニエール病・・・中年層の女性に多く見られ、片耳で、低音の耳鳴りとめまいが起こる。
・急性低音障害型感音難聴・・・片耳で低音の耳鳴り。めまいは起こしません。
・突発性難聴・・・突然、片耳で耳鳴りが起こり、難聴になる。
・音響性難聴・騒音性難聴・・・音がうるさい環境に住むことが原因で、耳鳴りがなる。

耳鳴りは、すべてが難聴をともなうということはないのですが、上記のようなことがある場合は、難聴である可能性が高く、放置しておくとさらに、悪化し、治りにくくなることがあります。このような症状が出た場合は、早期に、しっかりと病院の治療を受けるべきではないでしょうか。

その他の耳鳴りの原因

耳鳴りといっても、難聴を伴わないことも多くあります。
過剰なストレス・生活習慣病・バランスの悪い食事・過労・睡眠不足・冷え・のぼせ・水分代謝・血液の滞り・中耳炎の繰り返し・頭痛・高血圧・低血圧・貧血など。

こういった症状から引き起こされる耳鳴りもあるのです。
これに当てはまるような場合は、まず、その症状を治療することが基本です。それによって、耳鳴りが改善されたという例も多くあります。

ちなみに、耳鳴りで悩んでいる人は成人の14%という報告もあります。
その中でも「難聴」であると判断された人は、とても少ないのです。
「難聴」であるかどうかの判断は、病院で診断するのが1番です。

また、次のような分類も試みられています。

【耳鳴りの原因と分類】
他覚的耳鳴:聴診器等で他の人も聞くことができる耳鳴り。
筋肉性耳鳴:咽頭や口蓋の近くの筋肉の異常運動によるもの。
血管性耳鳴:脳血管等の血管の腫瘍や奇形などによるもの。
自覚的耳鳴:他の人には聞こえない音が本人には聞こえる耳鳴りで、多くのケースがこの耳鳴りに当てはまります。いろいろな検査を行っても実際に耳鳴り音を「確認できない」ために、診断と治療が非常に難しいものです。

【耳鼻科の病気に伴う耳鳴り】
外耳性耳鳴:外耳炎、耳垢塞栓(耳垢がつまった状態)などに伴う耳鳴りで、治療により治ることが多い。
中耳性耳鳴:慢性中耳炎、滲出性中耳炎、耳管狭窄症などによる耳鳴りで、原疾患の治療によって耳鳴りは改善することが多いが、慢性化した場合には完治させることが難しい。
内耳性耳鳴:突発性難聴、メニエール病、内耳性難聴、音響外傷、老人性難聴、などによる耳鳴りは完治は難しい。
後迷路性耳鳴:聴神経炎、聴神経腫瘍などによる耳鳴りも消失させることは困難です。

【全身的な病気に伴う耳鳴り】
高血圧などの循環障害、甲状腺機能亢進などホルモン異常、アレルギー、ビタミン欠乏、糖尿病などの代謝障害、神経症や仮面うつ病などの心因性の病気に伴うとされる耳鳴りで、原因疾患が改善することで軽快することが多い耳鳴り。

漢方薬による耳鳴りの治療

漢方医学では、「腎は耳に開く」といいます。また耳は肝胆の経絡ともつながっています。
急性の耳鳴りの場合は肝の異常が多く、慢性の耳鳴りは腎の異常が多いと考えます。
急性の耳鳴り、難聴は前庭神経炎などで、西洋医学的に治療をすることがよいと思います。しかし、慢性の耳鳴や難聴に対しては効果的な西洋医学の治療がなく、漢方はこの分野で力を発揮します。

治療は補腎を原則にします。補腎作用の熟地黄、山薬、山茱萸、拘杞子、菟絲子、何首烏などに磁石などをあわせて使います。イライラが強いときには柴胡、郁金、芍薬、川楝子などを併用します。循環の弱い冷え性で陽虚タイプの人には炮附子、桂皮、仙霊脾、巴戟天、肉従蓉などを併用します。お血が関与する場合には丹参、川きゅう、地竜などを併用します。痰濁が合併した場合には、半夏、陳皮、茯苓、枳殻、竹茹などを併用します。

有名な方剤としては耳聾左慈丸(じろうさじがん)、耳鳴丸(じめいがん)がよく使われます。イライラが強く、不眠傾向があれば、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、抑肝散(よくがんさん)などを併用します。陽虚タイプには八味地黄丸(はちみじおうがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)、海馬補腎丸(かいばほじんがん)を使います。
これら大半は、既製品の漢方製剤ですが、より的確な効果を望むなら、やはり漢方専門薬局で、自分の証に合わせて生薬を調合してもらうことです。

◇基本的な類別と治則と例方を紹介します。

【実症】
1. 風熱襲肺-宣泄肺気   桑菊飲(そうぎくいん)
2. 肝胆火盛-清肝瀉火   当帰竜薈丸(とうきりゅうたいがん)、
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
3. 痰化欝結-清火化痰   温胆湯(うんたんとう)
4. 気滞血?-活血化?   通竅活血湯(つうきょうかっけつとう)
【虚症】
5. 肝血虚 -滋補肝血    補肝湯(ほかんとう)
6. 脾胃気虚-補中益気   補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
7. 腎陰虚 -滋補腎陰・潜陽   耳聾左慈丸(じろうさじがん)、耳鳴丸(じめいがん)、
8. 腎陽虚 -温腎壮陽       肉?蓉丸(にくじゅようがん)
【本虚標実症】
9. 肝陽上亢-滋陰潜陽   天麻鈎藤飲(てんまこうとういん)
10. 心腎不交-滋陰降火・交通心腎   天王補心丹(てんのうほしんたん)

日常生活での注意点は

耳鳴りの原因を問わず、睡眠不足、過労の際は強くなります。
また、イライラしたり、自分にとってうるさく感じる音や声を聞いたりしても、急に強くなることがあります。反対に、楽しい時、リラックスしていると弱くなっていきます。睡眠を十分にとり、イライラしないように、耳鳴りを気にし過ぎないようにしましょう

耳鳴りは外界の音で遮蔽されるので、BGMを流すとよいでしょう。
定期的に聴力検査を受けて、聴力の変化をみることも大切です。
持続する耳鳴りに対しては、CTやMRIによるチェックも一度は必要です。

<<耳鳴りと上手に付き合いましょう>>
耳鳴りは、とにかく気にしないことが1番です。気にすると音はどんどん大きくなり、もっと気になるようになります。悪循環ですよね。

騒音がひどい家に住み続けていると、年々その音に慣れてきて、気にならなくなるように、慣らそうと思えば、慣れるのです。

なかなか人にはわかってもらえない症状だけに、辛い思いをしている方は、たくさんいると思うのですが、自分にとって最良の方法を考えてください。音が全く聞こえない人もいます。そんな音のない世界にいるよりも、まだ音があるほうが幸せなのかもしれませんよ?

考え方次第なのです。上手に耳鳴りと暮らしていきましょう。

第2回のテーマ「起立性低血圧」(起立調節障害)
起立性調節障害(OD)とは?

小学校高学年から中学生の思春期前後の子供が、朝起きの悪さ、たちくらみ、頭痛、腹痛、全身倦怠などの身体不調を訴えることがあります。そのため、遅刻や早退が多くなります。1週間学校に行けなかったという子もいます。

病院で受診しても、一般的な診察や血液検査では該当する異常を認めないため、「なまかわ」だとか「甘え」に間違えられる子もあります。一部には「なまかわ」・「甘え」などの要素が強い子もありますが、起立性調節障害(OD)のケースが多くあります。

一方、成人になってもこの症状が持続すると、いつも疲労感を感じたり、精神的集中力も減退するという事態が合併しやすくなります。原因として、やはりその人の循環器系(心臓)の相対的な未発達が考えられています。なかには small heart syndrome といって実際に心臓の形が小さ目の人がおられ、そのため起立時に脳が高位置となったときに脳に充分量の血液を供給できなくなってしまいます。この small heart syndrome は心臓の超音波(UCG)や胸のレントゲン写真で診断が可能です。次に、心臓の拍出能力に問題がなくても、下肢の血管に血液が貯留しやすいというタイプの本症もあります。この場合、起立時に下肢血管が反射的に収縮しなければならないのにタイミングよく収縮できないのです。その結果、頭部への血液循環量が乏しくなるという事態が生じます。

健康人においては、急に起立した時などタイミングよく下肢の血管は収縮しますから、脳の血液循環量は保持され大丈夫なのです。

起立性調節障害の診断基準は

大症状
A. 立ちくらみ、あるいは目まいを起こしやすい。
B. 立っていると気持ちが悪くなる、ひどくなると倒れる。
C. 入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる。
D. 少し動くと動悸あるいは息切れがする。
E. 朝なかなか起きられず午前中調子が悪い。

小症状
a. 顔色が青白い。
b. 食欲不振。
c. 臍疝痛をときどき訴える。
d. 倦怠あるいは疲れやすい。
e. 頭痛。
f. 乗り物に酔いやすい。
g. 起立試験脈圧狭小化16mmHg以上
h. 同収縮期圧低下21mmHg以上
i. 同脈拍数増加1分間21以上

大症状 3つ
または  大症状 2つ+小症状1つ
または  大症状 1つ+小症状3つ以上
で器質性の心臓病や貧血などがなければ、起立性調節障害(OD)と診断されます。

起立性調節障害の理解

起立性調節障害は、思春期で最も起こりやすい疾患の一つであり、頻度は約5~10%と大変に多いものです。ODの子どもは、朝起きが悪く、なかなか起きません。一日中ごろごろしています。夕方頃になって元気になり、夜にはもっと調子がよくなります。これは日内リズムの関係で、夕方から夜ごろにかけて起立性調節が良くなるからです。そのためつい夜更かしの傾向になり、朝起きられないという悪循環になります。学校を欠席することが多くなり引きこもりがちになる子もいます。

軽い起立性調節障害は思春期の発達段階に特有の生理的反応(急激な身体発育のために自律神経の働きがアンバランスになった状態)で大人になると治ることが多く、病的なものではないと考えられています。しかし、学校生活に支障をきたすような重症なケース(起立性調節障害の約3割は不登校を合併しています)は適切な治療を要します。

一般に起立性調節障害をおこす子供は心理的側面から見ると、過剰適応な性格であり他人に気遣いして心理的にストレスをためやすい傾向があります。重症のタイプになると、子どもは強い不安を持っています。強い症状に対する不安、周囲から仮病扱いされることへの苛立ち、さらに親子関係における様々な葛藤、学校生活でのトラブル、学校不信といった心理社会的背景を抱えています。

起立性調節障害の子どもは、放っておくと一日中、ごろごろして、テレビやゲームをしています。勉強の集中力はひどく低下するので、周囲の大人はどうしても怠け癖・仮病と見なしてしまうことも少なくありませ。しかし、これは正しい考えではありません。親や担任の先生は、『決して焦らず、子どもを信じて見守る』ことの重要性を理解していただくことが大切です。

具体的な日常生活の注意点
運動療法では、散歩程度の歩行にします。ODの多くは運動が嫌いですが、横になりっぱなしならないようにします。また心拍数が120を越えない程度の軽い運動は毎日行います。とくに筋力アップのトレーニングは下肢筋肉の血液循環ポンプ作用を高め、下半身から心臓に帰還する血流を促します。結果的に脳循環が促進されます。

起立時には、いきなり立ち上がらずに、30秒程かけてゆっくり起立します。また歩き始める時にも、頭位を前屈させれば、脳血流が低下しないので起立時の失神を予防できます。また起立中には、足踏みをしたり、両足をクロスに交叉すると血圧低下が防げます。

早寝早起きなどの規則正しい生活リズムを心掛けるようにしますが、これは実行困難です。声かけ程度にしておきます。

下半身への血液貯留を防ぎ、血圧低下を防止する装具があります。弾性ストッキングやODバンドのような加圧式腹部バンドは、適切に利用すると効果があります。

塩分と水分の取り方

食事の注意点ですが、ODの子どもは一般に塩辛いものを好みません。しかし、循環血漿量を増やすため、やや多めの食塩摂取は効果があります。

最近、高血圧の予防の観点から塩分制限が推奨されています。健康な日本人に勧められている1日の塩分摂取の目標値は、10g未満です。高血圧の患者さんには、「1日7gまでに下げましょう」と、日本高血圧学会は提唱しています。

健康な人では1日10gの食塩をとっても構わないわけです。さらに、実際に血圧測定をして、収縮期血圧(血圧の上)が100以下の低血圧の人では、もう少し、多くとっても良いのです。1日10~12gを摂取した方がよいでしょう。つまり、高血圧治療の逆を行うという事です。塩分を含んだスポーツ飲料を多めにとることも同様に効果的です。

具体的には毎食梅干1個を食事に加えてみてください。

薬物療法

薬物療法を世界的に見ると、現在では、ミドドリン〈薬剤名:メトリジン〉が最も多く使われています。抵抗血管である細動脈と、容量血管である静脈の両方に作用し、かつ副作用が少ないため使い易いです。1回2mgを1日2~3回服用します。ジヒドロエルゴタミンは1mgを早朝起床前、昼食後2回服用する。静脈血管を特異的に収縮させます。アメジニウム〈薬剤名:リズミック〉は10mgを朝夕食後2回服用します。これは心拍増加をきたして症状が悪化することがありますので、注意が必要です。

これらの薬物療法で効果が現われなかったり、副作用で続けることができない場合には漢方薬もとても有効ですからお勧めします。

起立性低血圧に効く代表的な漢方薬

気虚中気下陥:補中益気湯
気血両虚:連珠飲・十全大補湯
脾気虚生痰:苓桂朮甘湯
脾気虚痰濁上擾:半夏白朮天麻湯
陽虚:真武湯

第1回のテーマ「肩こり」
国民病ともいわれる肩こり。年を取るにつれ慢性化しやすいし、ひどくなると頭痛などの原因にもなる。

パソコンなどに熱中し無理な姿勢を続けると筋肉が収縮し痛みが発生、この痛みのせいで筋肉がいっそう硬くなる。つらい悪循環を断ち切るためのアドバイスです。

肩こりには大きく分けて二つのタイプがあります

一つ目は単純な筋肉疲労。

直立歩行の人間は、立った姿勢だと頭、首、腰でバランスよく頭の重さを支えるが、パソコンや家事などで頭を前に傾けると、首や肩の筋肉にどうしても負担がかかります。

毎日長時間こうした姿勢を続けていると、筋肉が収縮する。筋肉が収縮すると血管が圧迫され血管が狭くなり、血流が減る。酸素が足りなくなり痛みを引き起こすプロスタグランジンなどの物質が増える。痛みで筋肉の神経が刺激されると、さらに筋肉が収縮する。

四十代以降の肩こり持ちの人を調べると、筋肉疲労に加えて首や背中の骨の関節に炎症が起きていることが多い。これが二つ目のタイプ。
外見からはわからないが、背骨を調べると加齢のせいで骨の軟骨がすり減っている人が多い。骨がぶつかりやすくなり背骨に関節炎を引き起こす。この炎症が筋肉の痛みを悪化、悪循環に拍車をかける。肩の関節が痛くなるのが特徴です。

また慢性の肩こりのせいで頭の筋肉も収縮し、頭が痛くなる「緊張型頭痛」も多い。肩こりから、フワフワする目眩感や耳鳴りといった症状も起こりやすい。

症状を軽くするには頻繁に首や肩の筋肉を動かし「緊張」をためないようにすること。
まず首を前、後ろ、左右に倒して収縮した筋肉を伸ばす。次に頭が動かないよう首に力を入れながら、手で頭を押す。1回2~3分、1時間に1回やるとよい。
もっと積極的には「肩こり体操」を毎日続けましょう。
肩こりを解消するには同じ姿勢をあまり続けないことが基本です。

生活で注意すること

◇運動不足
机にばかり向かっていて運動をしなかったり、車にばかり乗っていて歩かなかったり、もともと運動をすることがきらいだったりすると、肩がこりやすくなります。

◇悪い姿勢(うつむき姿勢・猫背)
うつむき姿勢で長時間パソコンにかじりついていたり、寝ころんで本を読んだり、背が高いことを悩んでネコ背になったり、逆に、ネコ背を直そうとして胸を張りすぎたりしていませんか?

悪い姿勢と運動不足が続くと、肩こりになりやすく、治りにくくなります。毎日、意識して、正しい姿勢を身につけるように努力しましょう。

◇目の使いすぎ
暗いところで本を読んだり、テレビを見すぎたり、メガネの度が合っていなかったりする場合、目はとても疲れてしまいます。

目の疲れは、肩や首の筋肉の緊張を引きおこし、肩こりを呼びます。
目を1分ほどじっと閉じているだけでも目は休まります。とくに細かい文字などを見続ける仕事の人は、よく目を休ませてください。

◇ストレス
悩み事があって寝不足が続いたり、物事がうまくいかずストレスがたまったりしておこる肩こりは、そのストレスが原因です。しかし、現代社会はストレスの連続です。

上手に発散させたいものですが、徹夜マージャンや編み物やドライブなど、同じ姿勢を長時間続けるようなものはストレスは発散されても肩こりは治りません。身体を動かす趣味も大切です。

◇冷え
運動量が少なくなった生活、間違ったダイエット方による減量、なんでも冷蔵庫で冷やす飲料、足を露出する女性特有のファッションなどが身体を冷やす要因が多い環境。血液の流れが悪くなり、手足の指先が冷えるだけでなく肩こりの原因にもなります。一番大切なことは、身体を使う、身体を動かすことです。

◇太りすぎ
太りすぎの人は背骨にかかる負担が大きく、運動不足にもなりやすくなります。また、やせすぎの人は筋骨の弱い人が多く、猫背になりやすく肩もこります。

◇合わない靴やハイヒール
足に合わない靴やハイヒールは、腰痛や肩こりのもとになります。

肩こりに効くビタミン

◇ ビタミンB1
ビタミンB1には、筋肉や末梢神経に必要なエネルギーを生み出す働きがあります。

◇ ビタミンB12
痛みなどの刺激は、末梢神経によって伝わります。
メコバラミン(活性型ビタミンB12)は、末梢神経の傷を修復し、腰痛や肩こりのつらい痛みやしびれ感を緩和します。

◇ 葉酸
葉酸は、ビタミンB群のひとつであり、メコバラミン(活性型ビタミンB12)と協力して、神経細胞の修復を促進し、腰痛・肩こりを緩和します。

◇ ビタミンE
ビタミンEは、血行を改善して、疲労物質を運び出し、筋肉や末梢神経に酸素と栄養分を運びやすくします。

肩こりに効く漢方薬

肩こりの漢方治療は気・血・水と臓腑(心・肝・脾・肺・腎)のバランスを整えることをポイントに処方を選定します。
そのポイントと代表処方を紹介します。

【病機】 【特徴】 【治法】 【処方】
気虚 疲れやすい・胃下垂・低血圧・すぐ横になりたい 益気昇陽 補中益気湯
血虚 やせ・栄養不良・肌につやがない・爪がもろい 養血潤腸 十全大補湯
血お 患部にしこり・こる箇所が固定・外傷暦・細絡 活血化? 桂枝茯苓丸
肝鬱気滞 緊張・ストレス・イライラなどが原因 疎肝解鬱 柴胡疎肝散
湿邪停滞 重い・だるい・寒冷感を伴う ?風湿邪 加味逍遥散
血府遂?湯
二朮湯
疎経活血湯
独活葛根湯
陰虚陽亢 のぼせ・ほてり・目の疲れ・足腰がだるい 滋陰潜陽 杞菊地黄丸

門的な分類は理解し難い方は以下を参考にしてください。

◇疲れ目やストレスを伴う肩こりに “杞菊地黄丸”
◇首や背中の骨の関節に炎症が原因の肩こりに “独活寄生湯”
◇ストレスが大きな原因の肩こりに “冠脉通塞丸”(血府遂?湯)
◇同じ姿勢を続ける仕事などが原因の肩こりに “葛根湯”
◇悪い姿勢が原因の肩こりに “補中益気湯”
◇しこりのある肩こりに “桂枝茯苓丸”
◇更年期の肩こりに “加味逍遥散”
◇太りすぎからの肩こりに “防風通聖散”
◇高血圧や心新患が原因の肩こりに “冠元顆粒”
◇冷えや水分代謝障害が原因の肩こりに “当帰芍薬散”

<<肩こりについてもう少し詳しく知りたい方に>>

◇血液の流れについて
血管の収縮や拡張は交感神経でコントロールしています。血管が拡張されて血液の通るトンネルが広くなると、血液はスムーズに流れるように広くになり、血行がよくなります。また、血管やそれをとりまく筋肉も柔軟性をとり戻し、血行を促す働きがあります。血管が収縮すると血液への抵抗が高くなり、血行のさまたげになります。また、血管やそれをとりまく筋肉も硬くなり柔軟性がなくなるので血流が悪くなってしまいます。

◇血行不良について
こわばった筋肉が血管を圧迫すると血行不良となり、コリがひどくなります。
筋肉に疲労物質がたまってこわばったままだと、筋肉が血管を圧迫するので血行が悪くなります。そのため、血液の流れにのせて疲労物質を取り除くことが難しくなり、疲労物質がたまったままになってしまいます。すると、ますます筋肉が硬直してコリがひどくなり、血液循環が悪いために冷えを伴います。
こんな時は、マッサージすると血行がよくなって疲労物質が取り除かれるため、コリや冷えが改善します。また、お風呂に入ることも、血行がよくなるうえ心身ともにリラックスできるのでオススメ。湯船に浸かりながらこっている部分をマッサージするとさらに効果的です。

◇痛みや、しびれについて
末梢神経が傷ついて、ジーンとする痛みや、しびれが生じてきます。
血行不良が改善しないと、ますます筋肉がこわばり、硬くなった筋肉が末梢神経を圧迫したり、傷つけたりしてしまいます。そのため、筋肉のコリだけではなく、末梢神経の傷による痛みや、しびれも起こってきます。
ジーンとする、もんでもよくならない、いつも同じ場所がこる、肩や腰を動かすと痛い、お風呂に入ってもコリや痛みがとれない、などの症状に悩まされることになるのです。
痛みやしびれを改善するためには、傷ついた末梢神経を修復しなければなりません。末梢神経を修復するためには、末梢神経の傷を治す作用があるメコバラミンをとる必要があります。メコバラミンとは、レバーやイワシなどに含まれるビタミンB12の一種ですが、末梢神経を修復するのに必要な量を食事からとるのは難しいとされています。

◇骨や軟骨の障害について
加齢や、関節の酷使により、骨や軟骨に障害が起こります(頸椎症や椎間板ヘルニア)。
歳をとると、椎間板などの関節部分の水分が失われ、弾力がなくなってきます。そして、外部から急激な力が加わると軟骨が変形し、末梢神経を圧迫して痛みやシビレを起こします。
また、スポーツや仕事等で関節を酷使したり、なんらかの急激な力が加わった時も、骨や軟骨が変形して、末梢神経が刺激され、痛みやシビレを起こします。
骨や関節による障害は、急激な痛みを伴うことが多く、このような場合は、まず安静にすることが大切です。

◇筋肉の硬直について
車の運転やデスクワークなどで同じ姿勢をとり続けたりすると、首や肩、腰や背中の筋肉が疲れてきます。すると、筋肉に乳酸などの疲労物質が溜まり、筋肉が硬くこわばって張ってきます。また、寝不足やストレス、足に合わない靴なども筋肉を緊張させ、疲労物質をためこんでしまいます。このような筋肉の疲れが、筋肉のハリやコリだけでなく、筋肉痛や全身がだるいといった症状を引き起こすのです。
改善策としては、腰痛体操や肩こり体操で筋肉をよくほぐしましょう。筋肉の緊張がほぐれると疲労物質がたまらなくなるので、筋肉の疲れやハリを解消します。

◇マウス症候群
マウスを長時間使用していると、右手を常に前に出した姿勢がつづいてしまいます。一緒に右肩も前に出た状態になり、体にとって不自然な姿勢が続くことで、肩や手首に負担がかかり、血行不良や末梢神経の障害が起きやすくなります。パソコンを長時間使用して、右手・右肩にしびれ・痛み・違和感を感じる時は要注意です。
そんな時には、休憩と軽いストレッチ体操が効果的。デスクワークの時には無理にでも休憩時間を作り、ストレッチ体操に取組みましょう。

肩こり体操

肩の疲労が積み重なると、肩こりになり、肩の筋肉が固くなって、いつも肩が重く、だるくてたまらなくなります。
若い頃は一晩寝れば回復した肩こりも、35歳を過ぎて頚椎の椎間板が老化し始めると、椎間板本来のクッションとしての機能が弱まり、ちょっとしたストレスですぐに肩がこってしまうようになります。

そして、椎間板の老化がさらに進むと、首すじから肩にかけて、いつも重くこっていて、筋肉が固くこわばってきます。
このような肩こりを解消するには、毎日、体操をするのが効果的です。三日坊主では効果がなく、また、やったりやらなかったりというのも効果は半減するので日課にして続けましょう。

STEP1
肩を上げ下げする。腕はブラリとたらしたまま、両肩をもち上げ、力を抜いてストンと落とす要領で行う。

STEP2
両肩を後ろに引き、次いで前に出す。
STEP3
肩で円を描くように、肩の前回しと後ろ回しを行う

STEP4
両腕をできるだけ上に振り上げ、できるだけ後ろに振り下ろす。
STEP5
両腕を大きく横に振り上げ、前に振り下ろす。
STEP6
両腕を前に伸ばした位置から水平に腕を開く。少しつっぱる感じがするまで十分に開くこと。
STEP7
腕を大きく前と後ろに交互に回す。

■ お願い

適切な漢方治療のためにはご本人が直接来ていただくことが大切です。

一宮市・稲沢市・江南市・岩倉市・清洲市・北名古屋市・西春日井郡・小牧市などの近郊からは約30分、名古屋市・弥富市・海部郡・あま市・春日井市・岐阜市・各務原市・羽島市・羽島郡などからも30分から1時間以内の距離ですから、初めはご本人が直接お越しください。

各種ご相談・お問い合わせ TEL 0586-45-4753

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